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宇土先生、仕事でパソコンを使うことが多くなり、長時間座っているためか、最近、腰が疲れ腰痛ぎみなんです。 |

腰痛にもいつくつかの種類がありますが、長時間に渡り同じ姿勢で座っている事で起こるのが筋肉性腰痛です。
筋肉性腰痛は誰にでも経験があるはずです。列車や長距離バス・映画館など1〜2時間同じ姿勢で座っていた場合に、腰やお尻が痛くなった経験がおありでしょう。仕事などで毎日、長時間座っている方の場合、筋肉性腰痛は慢性化してしまいます。


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座作業で腰痛になる原因は何でしょうか? |

座作業での腰痛の直接的な原因は、主に二つあげられます。
(1)筋肉内に蓄積した疲労物資によるもの
(2)椎間板の栄養障害によるものの二つです。 |

宇土 博(うど ひろし) 医学博士
広島大学医学部臨床教授
広島文教女子大学福祉工学教授
日本産業衛生学会指導医を兼任
広島市内に職業病専門診療所「友和クリニック」を開設し、頚肩腕障害や腰痛の予防・治療の権威である。 |
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(1)の筋肉内に疲労物資が蓄積するメカニズムを説明いただけますか? |

その為には、まず血流と筋肉の動きからご説明する必要があります。
血流は筋肉に酸素とブドウ糖を供給し、乳酸・老廃物などの疲労物資を排出させる新陳代謝を担っています。
筋肉はリズミカルな収縮と弛緩を繰り返す事で、血流を促進させる機能を持っています。この機能を筋肉ポンプ作用と言います。筋肉がリズミカルな収縮と弛緩をしている状態では、疲労物資は筋肉内に蓄積せず、筋肉性腰痛は起こりません。
長時間同じ姿勢でいると、その姿勢を保持することに使っている筋肉が持続的に収縮してしまい、弛緩することがありません。これでは筋肉ポンプ作用が働かず、筋肉内に疲労物資が蓄積し、筋肉性腰痛が引き起こされてしまうのです。 |

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(2)の椎間板の栄養障害で腰痛が起こるメカニズムを説明いただけますか? |

人の背骨(脊髄)は、腰椎と椎間板(背骨にある軟骨)が交互に連なった構造をしています。
特に椎間板は背骨におけるクッションの役割を担っています。この椎間板にはほとんど血管が無く、新陳代謝は主に椎間板周囲の血管からの栄養補給に頼っています。椎間板も筋肉と同じ様に、リズミカルな屈曲により、椎間板の圧縮と弛緩が起こり、周囲の血管からの栄養補給が促進されます。これを椎間板ポンプ作用と言います。
筋肉と同じ様にこの椎間板ポンプ作用が正常に行われている状態では、椎間板性の腰痛は起こりません。
逆に、長時間同じ姿勢を保持すると、椎間板ポンプ作用が働かず、椎間板の栄養障害が発生し、椎間板性の腰痛が引き起こされてしまいます。 |
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ぎっくり腰と腰の疲労や運動の関係はどうなっていますか? |

はい現在の研究で、ぎっくり腰の原因の一つは、腰部の疲労であると考えられており、特に椎間板の栄養障害は直接的な原因となると考えられています。
現在、ぎっくり腰の治療中で動くと痛い場合は安静にしておくことが基本です。しかし、過去にぎっくり腰になり再発の不安を抱えている場合などでは、リズミカルな運動をすることで椎間板ポンプ作用を働かせ、椎間板に栄養補給を行うことが大切であるといえます。 |

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リズミカルな運動を行っていれば、腰部の疲れを感じにくくなる訳ですね。しかし、仕事中にリズミカルな運動を行う事は不可能です。どうすればいいのでしょうか? |

おっしゃるとおりですね。仕事中の運動はちょっと無理があります。
運動といっても別に激しく運動する必要はありません。要は筋肉ポンプ作用や椎間板ポンプ作用などの、本来人間が持っている機能を助けてあげる程度の運動で、疲れを感じにくくすることができます。
具体的には、仕事の妨げにならない程度に、着座中、常時、腰背部を緩やかに動かしてやることで、筋肉ポンプ作用や椎間板ポンプ作用の促進が十分に期待できます。 |